たくのろじぃのメモ部屋

プログラミング関係や数学、物理学などの内容を備忘録として残すブログ。プログラミングはC#を中心に書いています。

【数学メモ】微分方程式3

1. 微分演算子法の補足

前回は微分演算子法で微分方程式を解きました。そのとき、因数分解さえできれば代入するだけで解を求めることができました。

さて、微分演算子にはこのようなルールがありました。

 \displaystyle{
\frac{1}{D} = D^{-1} = \int
}

例えば次のような微分方程式を解くと、

 \displaystyle{
\frac{d^{2}y}{dt^{2}} + \frac{dy}{dt} + 6y = 0\\
D^{2}y + Dy - 6y = 0 \\
(D + 3) (D - 2)y = 0 \\
補助方程式(特性方程式)より、\\
\lambda = -3, 2 \\
}

 \lambda -3 2 のときに右辺が 0 になるような方程式になっています。また、これは元々展開されていた式  (D^{2} + D - 6)y でも同様で、この時にも右辺が 0 になるような方程式になっていると言えます。これらはそれぞれ場合分けできて、

 \displaystyle{
(1) \ \lambda = -3 のとき \\
(D + 3)y = 0 \\
y = (D + 3)^{-1} \cdot 0 \\
 \\
(2) \ \lambda = 2 のとき \\
(D - 2) y = 0\\
y = (D - 2)^{-1} \cdot 0\\
 \\
(3) \ (D^{2} + D - 6)y のとき \\
(D^{2} + D - 6)y = 0 \\
y = (D^{2} + D - 6)^{-1} \cdot 0 \\
}

となります。さて、微分演算子の逆演算子積分になりますが、重要なのは「積分しても変わらない関数」でした。つまり、左辺の  y という関数と、右辺の積分した結果の関数は等しくないといけません。そこで、両辺に  e^{- \lambda t} を掛けます。右辺は「積分しても変わらない」ようにするため、積分に作用する形で掛けます。また、マイナスになっているのは因数分解を解いて符号が逆になっているためです。

 \displaystyle{
(1) \ e^{-\lambda t} y = (D + 3)^{-1} e^{-\lambda t} \cdot 0 \\
 \\
(2) \ e^{-\lambda t} y = (D - 2)^{-1} e^{-\lambda t} \cdot 0 \\
 \\
(3) \ e^{-\lambda t} y = (D^{2} + D - 6)^{-1} e^{-\lambda t} \cdot 0 \\
}

しかし、このままでは左辺が  y e^{- \lambda t} の積の関数になって  y について解けないので、両辺に符号を逆にした  e^{\lambda t} を掛けます。右辺は積分に作用させてしまうと  e^{- \lambda t} \cdot e^{\lambda t} 同士で 1 (定数)になってしまい、「積分しても変わらない関数」を満たさなくなってしまいます。なので、微分演算子の前にもってきます。すると、

 \displaystyle{
(1) \ y = e^{\lambda t} (D + 3)^{-1} e^{-\lambda t} \cdot 0 \\
 \\
(2) \ y = e^{\lambda t} (D - 2)^{-1} e^{-\lambda t} \cdot 0 \\
 \\
(3) \ y = e^{\lambda t} (D^{2} + D - 6)^{-1} e^{-\lambda t} \cdot 0 \\
}

このような形となり、 y について解くことができます。ちなみに、ちゃんとした証明はこちらにあります。

これを踏まえて実際に解いてみます。

 \displaystyle{
(1) \ y = e^{\lambda t} (D + 3)^{-1} e^{-\lambda t} \cdot 0 \\
因数分解より \lambda = -3 \\
y = e^{-3t} (D + 3 - 3)^{-1} e^{3t} \cdot 0 \\
= e^{-3t} D^{-1} e^{3t} \cdot 0 \\
= e^{-3t} \int 0 \ dt \\
= e^{-3t} C_{1} \\
= C_{1}e^{-3t}
}


 \displaystyle{
(2) \ y = e^{\lambda t} (D - 2)^{-1} e^{-\lambda t} \cdot 0 \\
因数分解より \lambda = 2 \\
y = e^{2t} (D - 2 + 2)^{-1} e^{-2t} \cdot 0 \\
= e^{2t} D^{-1} e^{-2t} \cdot 0 \\
= e^{2t} \int 0 \ dt \\
= e^{2t} C_{2} \\
= C_{2}e^{2t}
}

さて、(3) についてですが、これはいわゆる特殊解というもので同次形の微分方程式には特殊解がありません。なので 0 としてもいいのですが、一応式だけ載せます。

 \displaystyle{
(3) \ y = e^{\lambda t} (D^{2} + D - 6)^{-1} e^{-\lambda t} \cdot 0 \\
= e^{0 t} (D^{2} + D - 6)^{-1} e^{0 t} \cdot 0 \\
= (D^{2} + D - 6)^{-1} \cdot 0 \\
= - \frac{0}{6}
= 0
}

(1), (2), (3) より、関数の線形性で

 \displaystyle{
y(t) = C_{1}e^{-3t} + C_{2}e^{2t} (C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}

と求めることができます。勿論、初めから線形性を利用して (1) + (2) + (3) の状態で一気に計算できます。 ちなみに、因数分解の解を用いて求めた関数の解を斉次解(同次解)、因数分解の解を用いずにそのまま求めた解は特殊解です。つまり、微分方程式の 一般解 は 斉次解(同次解)+ 特殊解 によって求めることができます。

2. 非斉次(非同次)の微分方程式

非斉次(非同次)は右辺が 0 でないものです。例えば  \frac{d^{2}x}{dt^{2}} - 4x = 8 を解くときは先ほどの例を参考に解けるのですが、注意が必要です。微分方程式の一般解は同次解と特殊解によるものです。なので、同次解は因数分解の解、すなわち右辺が 0 になるような組み合わせの関数を求めることになります。特殊解は因数分解をしないので、右辺がそのまま作用されます。代わりに  e^{-\lambda t}因数分解しないので  \lambda = 0 とおき、 1 として扱います。また、微分演算子の項はキャンセルされて定数項のみ残ります。

 \displaystyle{
\frac{d^{2}x}{dt^{2}} - 4x = 8 \\
D^{2}x - 4x = 8 \\
(D^{2} - 4)x = 8\\
特性方程式より \\
(D + 2)(D - 2)x = 8 \\
x = (D + 2)^{-1} \cdot 0 + (D - 2)^{-1} \cdot 0 + (D^{2} - 4)^{-1} \cdot 8\\
x = e^{-2t}  (D + 2 - 2)^{-1} e^{2t} \cdot 0 + e^{2t} (D - 2 + 2)^{-1} e^{-2t} \cdot 0 + (D^{2} - 4)^{-1} \cdot 8\\
x = e^{-2t}  D^{-1} e^{2t} \cdot 0 + e^{2t} D^{-1} e^{-2t} \cdot 0 + (D^{2} - 4)^{-1} \cdot 8\\
x = e^{-2t}  \int 0 \ dt + e^{2t} \int 0 \ dt + \left( -\frac{8}{4} \right) \\
x = e^{-2t}  C_{1} + e^{2t} C_{2} + \left( -2 \right) \\
x(t) = C_{1}e^{-2t} + C_{2}e^{2t} - 2  (C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}

3.1 部分分数分解を使う場合

部分分数分解で微分演算子の逆演算子が出てきた場合、積分定数は 0 として扱います。

 \displaystyle{
\frac{d^{2}x}{dt^{2}} + \frac{dx}{dt} = t \\
(D^{2}x + Dx) = t \\
(D^{2} + D) x = t \\
D(D + 1)x = t \\
x = D^{-1} \cdot 0 + (D + 1)^{-1} \cdot 0 + (D^{2} + D)^{-1} \cdot t \\
x = e^{0t} D^{-1} e^{-0t} \cdot 0 + e^{-t} (D + 1 - 1)^{-1} e^{t} \cdot 0 + \left( \frac{1}{D^{2} + D} \right) \cdot t \\
x = \int 0 \ dt + e^{-t} \int 0 \ dt +  \left( \frac{1}{D} - \frac{1}{D + 1} \right) \cdot t \\
x = C_{1} + e^{-t} C_{2} + D^{-1} \cdot t + (D - 1)^{-1} \cdot t \\
x = C_{1} + C_{2}e^{-t} + \int t \ dt + \left( - \frac{t}{1} \right) \\
x(t) = C_{1} + C_{2}e^{-t} + \frac{t^{2}}{2} - t  (C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}

ちなみに、右辺が三角関数だったり、多項だったりする場合も同様に解けるのですが、長くなるので次回に回します。

3. いろいろ解く

3.1 問題

 \displaystyle{
(1) \ \frac{d^{2}x}{dt^{2}} - 4\frac{dx}{dt} + 4x = 0 \\
(2) \ \frac{dx}{dt} + 3x = 2 \\
(3) \ \frac{d^{2}x}{dt^{2}} - \frac{dx}{dt} - 6x = 1
}

3.2 解答

 \displaystyle{
(1) \ \frac{d^{2}x}{dt^{2}} - 4\frac{dx}{dt} + 4t = 0 \\
D^{2}x - 4Dx + 4x = 0\\
(D^{2} - 4D + 4)x = 0\\
(D - 2)^{2} x = 0\\
x = (D - 2)^{-2} \cdot 0 + (D^{2} - 4D + 4)^{-1} \cdot 0 \\
x = e^{2t} (D - 2 + 2)^{-2} e^{2t} \cdot 0 + \frac{0}{4} \\
x = e^{2t} D^{-2} e^{-2t} \cdot 0 + 0 \\
x = e^{2t} D^{-1} \int 0 \ dt \\
x = e^{2t} \int C_{1} dt \\
x = e^{2t} (t C_{1} + C_{2}) \\
x(t) = e^{2t} (C_{1}t + C_{2}) (C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}


 \displaystyle{
(2) \ \frac{dx}{dt} + 3x = 2 \\
Dx + 3x = 2 \\
(D + 3)x = 2 \\
x = (D + 3)^{-1} \cdot 0 + (D + 3)^{-1} \cdot 2 \\
x = e^{-3t} (D + 3 - 3)^{-1} e^{3t} \cdot 0 + (D + 3)^{-1} \cdot 2 \\
x = e^{-3t} D^{-1} e^{3t} \cdot 0 + \frac{2}{3} \\
x = e^{-3t} \int 0 \ dt + \frac{2}{3} \\
x = C_{1}e^{-3t} + \frac{2}{3} (C_{1} : 任意定数)
}


 \displaystyle{
(3) \ \frac{d^{2}x}{dt^{2}} - \frac{dx}{dt} - 6x = 1 \\
D^{2}x - Dx - 6x = 1\\
(D^{2} - D - 6)x = 1 \\
(D - 3)(D + 2)x = 1 \\
x = (D - 3)^{-1} \cdot 0 + (D + 2)^{-1} \cdot 0 + (D^{2} - D - 6)^{-1} \cdot 1 \\
x = e^{3t} (D - 3 + 3)^{-1} e^{-3t} \cdot 0 + e^{-2t} (D + 2 - 2)^{-1} e^{2t} \cdot 0 + \left( -\frac{1}{6} \right) \\
x = e^{3t} D^{-1} e^{3t} \cdot 0 + e^{-2t} D^{-1} e^{2t} \cdot 0 - \frac{1}{6} \\
x = e^{3t} \int 0 \ dt + e^{-2t} \int 0 \ dt - \frac{1}{6} \\
x = e^{3t}C_{1} + e^{-2t}C_{2} - \frac{1}{6} \\
x(t) = C_{1}e^{3t} + C_{2}e^{-2t} - \frac{1}{6} (C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}

【数学メモ】微分方程式 2

1 前回の内容

1.1 方程式の種類

式が  x^{2} + x + 1 = 3 のような形で、文字について解くような式を代数方程式といい、 \frac{d^{2}y}{dx^{2}} + \frac{dy}{dx} + 3y = 0 のような形で、この式が成立するような関数を求める式を関数方程式といいます。

1.2 微分演算子と逆演算子

微分記号  \frac{d}{dx} をさらに簡略化して  D で表現したものを微分演算子といいます。1.1 の関数方程式に対して、この記号を用いると

 \displaystyle{
D^{2}y + Dy + 3y = 0
}

で表現できます。また、微分演算子の逆数は逆演算子といい、積分することを意味します。

 \displaystyle{
\frac{1}{D} = D^{-1} = \int
}

1.3 例

ある関数  y微分したものが  2x になるための方程式(微分方程式)を解いてみます。

 \displaystyle{
\frac{dy}{dx} = 2x \\
Dy = 2x \\
y = D^{-1} \ 2x \\
y = \int 2x \ dx \\
y = \left[ \frac{2}{2}x^2 \right] + C \\
y = x^{2} + C (C : 任意定数)
}

こんな感じで1つの関数について解くと、1つの関数の解と任意定数で表現できます。

2. 同次(斉次)の1階微分方程式

同次(斉次)は右辺が 0 になっている方程式のことです。例えばこんな関数方程式を考えます。

 \displaystyle{
\frac{dy}{dx} - 5y = 0 \\
Dy - 5y = 0
}

この方程式はある関数  y を1階微分したものに、ある関数  y を5倍したものを引くと 0 になるような式になっています。とりあえず見慣れた形に直すために、 -5y を移項します。

 \displaystyle{
Dy = 5y
}

ここで、先ほどの 1.3の例 と異なるのは、右辺と左辺で同じ関数になっている点です。左辺の  D を打ち消すためには両辺積分する必要がありますが、左辺と右辺で同じ関数なので、右辺の関数は積分しても関数の形が変わらないような関数を考える必要があります。この条件に当てはまる関数は指数関数  e です。

つまり、微分方程式を解くコツは指数関数を使うことです。ちなみに指数関数の逆関数は対数関数  log ですが、これも後に使うことになります。

微分方程式を解くには因数分解から求まる解  \lambda を求めて、 Ce^{\lambda x} に代入することで求めることができます。この解を求める式を補助方程式(特性方程式)として用います。

 \displaystyle{
Dy - 5y = 0 \\
(D - 5)y = 0\\
補助方程式(特性方程式)より、\\
\lambda = 5 \\
y(x) = Ce^{5x} (C : 任意定数)
}

2問目です。

 \displaystyle{
2Dy - 3y = 0 \\
(2D - 3)y = 0\\
補助方程式(特性方程式)より、\\
\lambda = \frac{3}{2} \\
y(x) = Ce^{\frac{3}{2}x} (C : 任意定数)
}

3問目です。

 \displaystyle{
Dy + ay = 0 \\
(D + a)y = 0\\
補助方程式(特性方程式)より、\\
\lambda = -a \\
y(x) = Ce^{-ax} (C : 任意定数)
}

これで同次1階微分方程式を解けます。

3. 同次(斉次)の2階微分方程式

2階微分方程式なので微分演算子で書くと  D^{2} になることが想像つくかもしれません。2次式なので、因数分解の解の公式も使うことができます。2次になっても1次微分方程式のように解くことができますが、解が2つになります。これを踏まえて、因数分解で解が  \lambda_{1},  \lambda_{2} と出たとき、 C_{1}e^{\lambda_{1} x} + C_{2}e^{\lambda_{2} x} に代入すれば求められます。

 \displaystyle{
\frac{d^{2}y}{dx^{2}} + \frac{dy}{dx} + 6y = 0\\
D^{2}y + Dy - 6y = 0 \\
(D + 3) (D - 2)y = 0 \\
補助方程式(特性方程式)より、\\
\lambda = -3, 2 \\
y(x) = C_{1}e^{-3x} + C_{2}e^{2x} (C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}

3.1 重解をもつ場合

重解をもつ場合は注意が必要です。解が  \lambda のみになった場合は  e^{\lambda x} (C_{1} + C_{2} x) に代入すれば求められます。

 \displaystyle{
D^{2}y + 4Dy + 4y = 0 \\
(D + 2)^{2}y = 0 \\
補助方程式(特性方程式)より、\\
\lambda = -2 (2重解)\\
y(x) = e^{-2 x} (C_{1} + C_{2} x) (C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}

3.2 解の公式を使う場合

解の公式を使う計算もやっておきます。

 \displaystyle{
D^{2}y - 3Dy + 5y = 0 \\
(D^{2} - 3D + 1) y = 0 \\
補助方程式(特性方程式)は \\
解の公式 \lambda = \frac{-b \pm \sqrt{b^{2} - 4ac}}{2a} より、\\
\lambda = \frac{3 \pm \sqrt{9 - 4 \cdot 1 \cdot 1}}{2 \cdot 1}y = 0 \\
\lambda = \frac{3 + \sqrt{5}}{2},  \frac{3 - \sqrt{5}}{2} \\
y(x) = C_1 \ {\rm exp} \left( \frac{3 + \sqrt{5}}{2} x \right) + C_2 \ {\rm exp} \left( \frac{3 - \sqrt{5}}{2} x \right) \\
(C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}

ちなみに、exp (exponential) は  e と同じ意味です。指数が細かくて見づらいのでこの形にしました。

3.3 虚数が出る場合

また、虚数が出る場合もあります。

 \displaystyle{
D^{2}y - 4Dy + 5y = 0 \\
(D^{2} - 4D + 5) y = 0 \\
補助方程式(特性方程式)は解の公式より、\\
\lambda = \frac{4 \pm \sqrt{16 - 4 \cdot 1 \cdot 5}}{2 \cdot 1} = \frac{4 \pm \sqrt{-4}}{2} \\
\lambda = \frac{4 + \sqrt{-4}}{2} , \frac{4 - \sqrt{-4}}{2} \\
\lambda = \frac{4 + 2i}{2} , \frac{4 - 2i}{2} \\
\lambda = 2 + i , 2 - i \\
y(x) = C_{1}e^{(2 + i)x} + C_{2}e^{(2 - i)x} (C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}

虚数があると見栄えがあまりよろしくないので、オイラーの公式を用いると美しくなります。虚数の係数を  b とすると、オイラーの公式 e^{i b x} = {\rm cos} \ b x + i \ {\rm sin} \ b x です。ただし、解の公式を解いてみると正と負の虚数をもつことになるので、 e^{i b x} に加えて  e^{-i b x} も必要です。

微分方程式の解では線形和になるので、

 \displaystyle{
C_{1} e^{i b x} + C_{2} e^{-i b x} \\
= C_{1} ({\rm cos} \ b x + i \ {\rm sin} \ b x ) + C_{2} ({\rm cos} \ b x - i \ {\rm sin} \ b x) \\
= (C_{1} \ {\rm cos }\ b x + C_{2} \ {\rm cos }\ b x) + i (C_{1} \ {\rm sin }\ b x - C_{2} \ {\rm sin }\ b x ) \\
= (C_{1} + C_{2}) {\rm cos} \ b x + i(C_{1} - C_{2}) {\rm sin} \ b x \\
}

このように cos 同士、sin 同士でまとめると実部と虚部で分けることができます。ちなみに、任意定数  (C_{1} + C_{2}) i(C_{1} - C_{2}) はさらに新しい任意定数として定義できます。変数ではないので、任意定数を任意定数としても問題ありません。

 e^{(2 + i)x} e^{2x} \times e^{ix} です。 e^{ix} 虚数)はオイラーの公式で表現できているので、 e^{2x} (実数)が残ります。この係数を  a とすれば

 \displaystyle{
y(x) = e^{ax}  (C_{1} \ {\rm cos} \ \lambda x + C_{2} \ {\rm sin} \lambda x)
}

となります。微分方程式の解をこのような形に置き換えればきれいに書けます。先ほどの解をこの形に直すと、

 \displaystyle{
y(x) = C_{1}e^{(2 + i)x} + C_{2}e^{(2 - i)x} \\
y(x) = e^{2x} (C_{1} \ {\rm cos} \ x + C_{2} \ {\rm sin} \ x) \\
(C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}

となります。

4. いろいろ解く

問題

 \displaystyle{
(1) \frac{d^{2}y}{dt^{2}} + 5 \frac{dy}{dt} - 6y = 0 \\
(2) \frac{d^{2}y}{dt^{2}} - 6 \frac{dy}{dt} + 9 y = 0 \\
(3) 2\frac{d^{2}y}{dt^{2}} - 8 \frac{dy}{dt} + 2y = 0 \\
(4) \frac{d^{2}y}{dt^{2}} + 4 \frac{dy}{dt} + 7y = 0 \\
}

解答

 \displaystyle{
(1) \frac{d^{2}y}{dt^{2}} + 5 \frac{dy}{dt} - 6y = 0 \\
D^{2}y + 5Dy - 6y = 0 \\
(D^{2} + 5D - 6) y = 0 \\
(D + 6)(D - 1) y = 0 \\
補助方程式より \\
\lambda = -6, 1 \\
y(t) = C_{1} e^{-6 \lambda t} + C_{2} e^{\lambda t} (C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}


 \displaystyle{
(2) \frac{d^{2}y}{dt^{2}} - 6 \frac{dy}{dt} + 9 y = 0 \\
D^{2}y -6Dy + 9y = 0\\
(D^{2} -6D + 9)y = 0\\
(D - 3)^{2} = 0\\
補助方程式より、\\
\lambda = 3 (二重解) \\
y(t) = e^{3 t} (C_{1} + C_{2} t) (C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}


 \displaystyle{
(3) 2\frac{d^{2}y}{dt^{2}} - 8 \frac{dy}{dt} + 2y = 0 \\
2D^{2}y - 8Dy + 2y = 0 \\
(2D^{2} - 8D + 2) y = 0 \\
補助方程式より \\
\lambda = \frac{8 \pm \sqrt{64 - 4 \cdot 2 \cdot 2} }{2 \cdot 2} = \frac{8 \pm 4\sqrt{3} }{4} \\
\lambda = 2 \sqrt{3}, -2\sqrt{3} \\
y(t) = C_{1} e^{2 \sqrt{3} t } + C_{2} e^{-2 \sqrt{3} t } (C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}


 \displaystyle{
(4) \frac{d^{2}y}{dt^{2}} + 4 \frac{dy}{dt} + 7y = 0 \\
D^{2}y + 4Dy + 7y = 0 \\
(D^{2} + 4D + 7) y = 0 \\
補助方程式より \\
\lambda = \frac{-4 \pm \sqrt{16 - 4 \cdot 1 \cdot 7}}{2} = \frac{-4 \pm 2\sqrt{-3}}{2} \\
\lambda = -2 + \sqrt{3}i , -2 - \sqrt{3}i \\
y(t) = C_{1} e^{(-2 + \sqrt{3}i)t } + C_{2} e^{(-2 - \sqrt{3}i)t } \\
オイラーの公式を用いると \\
y(t) = e^{-2t} (C_{1} \ {\rm cos} \ \sqrt{3}t + C_{2} \ {\rm sin } \ \sqrt{3}t ) \\
(C_{1}, C_{2} : 任意定数)
}