Microsoft Build 2021 参加レポート

はじめに

2021年5月26日、27日に開催された Microsoft Build は Microsoft 主催のグローバルカンファレンスです。最新の技術や製品の紹介やデモンストレーション、対談など通して、スキルアップや情報共有を行うことができます。

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mybuild.microsoft.com

予めアカウント登録しておくとスケジュールを確認、予約できたり、バックパックという機能を使用して気になったセッションを保存しておくことができます。

視聴したセッション

私がこの2日間で視聴したセッションをまとめます。(バックパックに入っていたものです。)

【5月26日】

  • Build Opening
  • Build consistent hybrid and multicloud applications with Azure Arc
  • Build differentiated SaaS apps with the Microsoft Cloud (R6)
  • Build the next generation of collaborative apps for hybrid work (R8)
  • Build cloud-native applications that run anywhere (R9)
  • Imagine Cup World Championship (R1)
  • How to become a Software Developer
  • Double-click with Microsoft engineering leaders

【5月27日】

  • Cluster Reply and UMI join Customer Tech Talks to show how they are working with Microsoft to innovate new Autonomous AI scenarios
  • What's new in Visual Studio Code (R1)
  • The future of modern application development with .NET (R1)
  • What's new for Windows desktop application development (R1)
  • What's new in Windows 10 for ALL developers (R1)
  • Three new ways to enrich your productivity apps with Microsoft Graph tools and data (R1)

まとめてみるとかなりのセッションを視聴していますね...。ただ、日中は大学の講義があったので、夕方や深夜のセッションしか参加できませんでした。これを全て紹介すると時間がかかるので、それぞれの日程から1つずつ紹介したいと思います。(他にもまとめている方がいるので、参考リンクを貼っておきます。)

Imagine Cup World Championship (R1)

このセッションは学生向け IT コンテスト Microsoft Imagine Cup の決勝戦でした。各分野から1チームずつ選出され、計4チームで競います。簡単に各プロジェクト作品を紹介します。

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ProTag - Earth category

ProTag は 家畜の耳(例えば牛)にスマートタグをつけることで、病気の初期症状が出ているかどうかを確認できるものです。病気にかかると様子が変わることを利用して、行動ログや温度を測定したデータを用いて病気にかかっている可能性を示してくれます。

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使用している技術は Azure IoT Hub や Machine Learning, Functions などです。

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Hands-On Labs - Education category

Hands-On Labs は学生がオンライン上で実験や制作などを行えるようにする、遠隔実験室です。学生自らの手で実験装置を動かしたり、ものづくりを行うことで学生のアクティブラーニングを支援し、体験することができます。

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使用している技術は Azure App Services や Azure Low-Latency Live Streaming, Azure Iot Hub などです。

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REWEBA - Healthcare category

REWEBA は IoT を使用した乳幼児の病気に関する早期警戒システムです。デバイスを用いて乳児の体重や健康状態を遠隔地にいる医師に送ることで、病気の早期発見と死亡率を下げることを目指します。

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使用している技術は Azure DevOps や Custom Vision, Cosomos DB などです。

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JustSigns - Lifestyle category

JustSigns は聴覚に障害を持つ人のために、コンテンツ製作者が手話キャプションを作成するためのウェブアプリです。例えば youtube の字幕を取得し、その文章をもとに 3D の手話アニメーションを作成します。

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使用している技術は Azure Static Web App や Azure Cognitive Service, Azure Blob Storage などです。

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優勝チーム

優勝チームは REWEBA でした!
REWEBA は医療機関と共同で臨床試験(農村地区でテスト)が行われているようです。これが実現すれば、近くに病院がないような地域の子どもたちが救われるだけでなく、医療の新たな可能性を切り拓いていくに違いないと思います。また、私はレントゲン写真やCT画像などの内部構造に関する診断しか聞いたことがなかったので、Custom Vision で乳児の皮膚状態から水疱瘡判定を行えることに驚きました。

どのプロジェクも素晴らしいアイディアで、Azure サービスをどのように使うと何が作れるのか学ぶことができました。また、技術力だけでなく、社会的な問題に関心を持つことも大事だと思いました。

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The future of modern application development with .NET (R1)

このセッションは .NET についての説明と .NET 6 の新しい機能について、デモを行いながら紹介されました。

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.NET 6 については Preview 4 から Multi-Platform App UI (MAUI) が対応するとのことで、デスクトップやモバイルアプリすべてで UI を共通化できる機能が導入されます。おそらく Xamarin の進化系のような感じですね。

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また、たったの4行でミニアプリ(Web)がつくることができるというデモもありました。

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.NET 6 についてのポイントについても紹介されました。

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  • C# 10 によるコードの簡素化と記述量削減
  • Apple M1 や ARM アーキテクチャへの対応(ARM上で exe ファイル展開)
  • MAUIによるモバイルアプリ、デスクトップアプリの実現
  • ネイティブデバイス機能を備えた Blazor アプリ
  • 全てのプロジェクトへのホットリロード機能の対応
  • ビルド時間の短縮化とパフォーマンス向上

個人的にはホットリロード機能の対応と MAUI の導入が嬉しいですね。

おわりに

Microsoft 主催のビッグイベントに参加するのは初めてでしたが、参加してよかったと思います。新しい発見や、事前に調べていた内容の確認ができたり、当日イベントに参加している人たちの反応も見ることができました。また、バックパック機能が便利で「もう1度確認したいな」と思ったときに、再度オンデマンドを見ることができるのが嬉しいですね。そして、驚いたのが翻訳や手話がついていたことです。様々なユーザに配慮されており、英語が苦手な私でもリアルタイム音声翻訳を通してスムーズに視聴することができました。しかも、これが無料で参加できるのが嬉しいですね(特に学生は)。次回、このようなイベントがあればまた参加してみたいと思います。

また、Microsoft Build の振り返りとして、Recap イベントもあります。

msdevjp.connpass.com

それでは、Happy Coding!!

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参考リンク

オープニングに紹介されたキーノートのまとめ記事

memo.tyoshida.me

1日目のまとめ

blog.azure.moe

2日目のまとめ

blog.azure.moe

イベントのお知らせ

2021年5月31日(月) の 20:00 ~ 21:00 に MS Tech Camp #7 を開催します!
Custom Vision Service で画像分類 AI を構築するハンズオンを行います。AI に興味がある方、Custom Vision Service を使ってみたい方はぜひご応募ください。まだまだ募集中です!

mspjp.connpass.com

Microsoft の学生コミュニティに興味がある学生さんへ

日本では約10名が活動している Microsoft Learn Student Ambassadors は、Microsoft 製品や技術を広める活動を行っています。興味がある方は下記リンクを覗いてみてください。応募方法や特典など、役立つ情報をまとめてみました!

blog.takunology.jp

学生の皆さまの参加をお待ちしております!